「嫁」という言葉そのものの解釈を根本から覆す文献学的なアプローチも存在します。鎌倉時代後期の私撰和歌集『夫木和歌抄(ふぼくわかしょう)』に収められた和歌には、このことわざの原型とされる記述が確認されています。
「秋なすび わさにさだめて 養ふは 嫁にはくれじ 敷島にする」という歌において、ここで使われている「嫁」とは、人間の配偶者ではなくネズミの異称(夜目=嫁)を指しているという説です。当時、穀物や野菜を食い荒らす害獣であるネズミから貴重な秋ナスを守るため、「ネズミに食わせるな」と戒めた言葉が、後世になって同音異義語の「嫁(息子の妻)」へと変化し、嫁姑の人間ドラマへと意味がスライドしていったという言語学的考察は非常に有力視されています。