対するギャング(Gang)は、本来「集団・一味」を指す広範な言葉です。治安用語として用いられる場合、その多くは都市部の特定エリアを拠点とする「ストリートギャング」を指します。
ギャングの行動原理は、厳格な掟よりも「縄張り(ターフ)」の防衛と拡大に重きが置かれます。アメリカでは1970年代以降、ロサンゼルスを中心に活動する「ブラッズ(Bloods)」や「クリップス(Crips)」、中米系移民を中心に勢力を広げた「MS-13(マラ・サルバトルチャ)」などが台頭しました。それぞれ特定のシンボルカラーやタトゥー、独自のハンドサインをアイデンティティとして誇示します。
主な資金源は、路上での違法薬物取引や車両窃盗、銃器密売などです。マフィアのような複雑な企業型犯罪を展開するノウハウは少なく、直接的な武力行使と威嚇によってテリトリーを維持する構造が特徴です。構成員の多くが貧困層の若者であり、参入と離脱が比較的容易である反面、縄張り争いによる死傷率は極めて高い水準にあります。