では、積み上がった本とどう向き合えばよいのか。独学者のバイブルとして定着した『独学大全』では、本を最初から最後まで読む「通読」への過度な信仰を解体している。著者の読書猿氏が提示するように、読書術の神髄はむしろ「拾い読み」や「目次読書」にある。
本を開き、目次をスキャンして全体の骨格を把握する。そして気になった数ページだけに目を通し、元の山に戻す。これだけで読書行為の8割の価値は回収されている。本を1冊まるごと消費するのではなく、自分の思考を深めるための外部ツールとして割り切ること。未読本とは、読まれるのを待っている奴隷ではなく、必要なときにいつでも召喚できる顧問団なのだ。