津川雅彦さんの若い頃のキャリアは、1956年の映画『狂った果実』で一気に花開きました。石原裕次郎さんの弟役として鮮烈なスクリーンデビューを飾り、甘いマスクと抜群のプロポーションで一躍「太陽族」のアイドル的人気を獲得します。
しかし、甘い二枚目スターの座に甘んじることを嫌った津川さんは、映画各社を渡り歩きながら泥臭い悪役や癖のある中年男性役へと果敢にシフトしていきました。深作欣二監督や伊丹十三監督の作品で魅せた狂気と色気を孕んだ演技は、名バイプレイヤーとしての評価を不動のものにしました。
さらに異色の経歴として知られるのが、木製知育玩具専門店「グランパパ(gran papa)」の創業です。1978年、娘の誕生を機に「子どもたちに安心で本物の温もりがあるヨーロッパの木のおもちゃを与えたい」という強い情熱から立ち上げた同店は、日本の玩具文化に大きな影響を与え、文化人・実業家としての先見性を世に示しました。