趣里の真骨頂は、傷つきやすく、時に狂気すら孕む人間の生々しさを演じ切る瞬間にあります。日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した映画『生きてるだけで、愛。』で見せた、過眠症と躁鬱を抱える主人公の危うさは、観る者の胸を抉るほどのリアリティを放っていました。
さらに主演を務めたテレビドラマ『モンスター』では、常識にとらわれない異色の弁護士役を軽妙かつ冷徹に演じ分け、単なる「個性派」を超えた主役級俳優としての盤石なポジションを証明しました。綺麗なだけの演技では到底届かない人間の暗部や滑稽さを、彼女は恐れることなく表現の武器へと昇華させています。