舞台を彩る絢爛豪華な装束も、見逃せない魅力の一つです。八ツ鹿踊りはその高い芸術性と歴史的価値から、宇和島市無形民俗文化財(愛媛県指定無形民俗文化財)に指定されています。
少年たちが頭にかぶる鹿頭(ししがしら)には、本物の雄鹿の角に金泥が美しく塗り施されており、光を受けて神々しく輝きます。首周りには白絹の幕が垂れ下がり、舞手の表情を覆い隠すことで、人間ではなく本物の鹿の化身であるかのような幻想的なリアリティを生み出します。
胴体には鮮やかな友禅染の羽織や袴を身につけ、胸元には小型の締太鼓を装着。バチを手にしてリズミカルに太鼓を叩きながら、指先や足先の細部に至るまで完璧に統制されたフォーメーションを描く姿は、まさに動く美術品と呼ぶにふさわしい完成度を誇ります。