ここで一つ、整理しておくべき境界線がある。「妥協しない頑固さ」と「信念に基づいたブレなさ」は似て非なるものだ。周囲からリスペクトされる「軸がある人」と、敬遠される「頭が硬い人」の差はどこにあるのだろうか。
答えは「目的」と「手段」のどちらに固執しているかにある。軸がある人は、目指すべきゴール(目的)に対して強い意志を持つが、そこにたどり着くためのアプローチ(手段)には柔軟だ。AプランがダメならBプラン、それもダメならCプランと、状況に合わせて変幻自在に手法を変える。
一方で、思考が硬直している人は「手段そのもの」を目的化してしまう。「これまでこうやってきたから」「ルールで決まっているから」という理由だけで手順を守ろうとし、本来達成すべきゴールを見失ってしまうのだ。手段の目的化こそが、コミュニケーションに亀裂を生む元凶と言える。