下鴨神社を包み込む「糺の森(ただすのもり)」は、太古の原生林の面影を残す貴重な生態系だ。しかし近年の地球温暖化や局地的な豪雨、地下水位の変動など、周辺の環境変化は伝統行事の存続にも少なからぬ影を落としている。
神社側と地域コミュニティは、御手洗池の水源を守るための保全活動を強化している。地下水の水質調査や森林の整備、プラスチックゴミの削減など、環境負荷を最小限に抑える取り組みが加速中だ。参拝者が受け取るろうそくも、環境に配慮した素材へと順次切り替えが進められている。
「1000年続いてきた祈りの場を、次の世代へそのまま引き継ぐ」。関係者の言葉には、単なるイベント開催にとどまらない、文化遺産を守り抜くという強い誇りと覚悟が宿っている。