プロの印刷現場やデザイン分野で作成されたPDFを扱う際、用紙の四隅や中央に見慣れない二重線や十字マークが配置されていることがある。これはトンボ(印刷・断裁位置指定)と呼ばれるもので、商業印刷において仕上がりサイズへ断裁するための不可欠な指標だ。
DTP制作においてトンボの外側には、断裁時のズレを見越した「塗り足し(ドブ:通常3mm)」が配置されている。トンボが付いたPDFを一般的なオフィス複合機でそのまま出力しようとすると、複合機はトンボを含めた全体を用紙サイズとして認識してしまう。結果として、本来A4サイズであるべき本文領域が80%程度まで強制縮小され、周囲に巨大な余白が出現するトラブルが頻発する。
この現象を回避するには、PDFを開いた状態でAcrobatの「ページ表示のトリミング」ツールを用い、トンボ領域を除外した「トリミングボックス」のみを出力対象に設定するか、印刷ダイアログのプレビューで「仕上がりサイズ」を強制指定して実寸印刷を行う。版下データの構造を正しく見抜く目を持つだけで、無駄な余白トラブルは瞬時に解消する。