岩正の歴史は100年以上の歳月に裏打ちされています。創業以来、名古屋市東区筒井・葵エリアの住民に親しまれてきた大衆食堂としてのアイデンティティは今も変わりません。観光地化された大型チェーンとは一線を画し、木造長屋の趣を残す店構えと使い込まれたテーブルが、訪れる者をタイムスリップしたかのような感覚に包み込みます。
岩正のメニュー構成は非常に多彩ですが、来店客の実に8割以上が注文するのが以下の二大巨頭です。
1. 味噌煮込みうどん
土鍋でぐつぐつと煮立たせた状態で運ばれる一杯。ムロアジなどの魚介出汁と上質な八丁味噌を絶妙な比率で合わせた濃紺のつゆは、見た目の重厚さとは裏腹に、豊かな旨味と適度な酸味が広がり後味はすっきりとしています。手打ち麺は硬すぎず、適度にもちっとしたコシがあり、噛むほどに小麦の風味が引き立ちます。
2. 名物・味噌カツ丼
岩正の名を一躍全国区に押し上げたのがこの丼です。一般的な「揚げたてトンカツに味噌ダレをかける」スタイルではなく、小鍋で味噌煮込みの濃厚出汁と玉ねぎを合わせ、揚げたてのカツを煮込んで卵でとじる「煮込みカツ丼」仕立て。味噌の深いコクと衣に染み込んだ出汁の旨味が白米と完璧に調和します。