タイトルにも冠されている「空に笑えば」というフレーズは、単なる能天気な空元気や、無理矢理な前向きさを強要する言葉ではありません。そこには、「どれほど悔しくて涙がこぼれそうになっても、ぐっと顔を上げて空を見上げ、最後には笑ってみせよう」という、敗北を受け入れた人間の気高い矜持が込められています。
楽曲の前半で描かれるのは、誰にも見られない早朝や泥にまみれたグラウンドで、仲間と共に積み重ねてきた果てしない時間の蓄積です。努力が必ずしも報われるとは限らない勝負の世界において、物語は必ずしも栄冠で幕を閉じるわけではありません。しかし、歌詞は「届かなかった結果」を失敗と切り捨てるのではなく、結果に至るまでに費やした「誰かのために、自分の限界を超えようともがいた日々」そのものに最大のスポットライトを当てています。
とりわけ多くの人の涙腺を決壊させるのが、ラストに向けて歌われる「悔しさを知る君は 誰よりも優しい」というフレーズです。痛みを味わった者だけが他人の痛みに寄り添える。タイトルの「空に笑えば」とは、夢破れた瞬間の残酷な痛みを通過した人間が、同じ空の下で次の一歩を踏み出すための、魂の救済を意味しているのです。