人間に対する「ハイスペック」の表現が最も日常的に飛び交うのが、婚活・マッチングサービス業界である。従来の条件面におけるハイスペック像といえば、「年収1000万円以上」「大企業勤務または士業」「有名大学卒」「高身長」という、わかりやすい属性の組み合わせが一般的だった。しかし、実際の現場では大きな質的変化が起きている。
現代のマッチング市場において、高年収や高学歴といった条件は、あくまで最初のフィルターを通過するための通過点に過ぎない。実際に最終的にパートナーとして「選ばれる人」に共通しているのは、高いEQ(感情知能)と生活力、そして共感能力である。高収入であっても仕事中心で家事・育児に無関心であったり、傲慢な態度を取ったりする人物は、早々にマッチング対象から除外されるケースが増えている。
共働きが当たり前となった現代社会において求められているのは、「他者へのリスペクトを持ったコミュニケーションができるか」「柔軟な価値観でパートナーシップを築けるか」という人間的成熟度だ。数値化できる条件以上に、心の安定や問題解決能力といった「目に見えないハイスペックさ」が、パートナーシップの成功を左右する決定打となっている。