一般的なパエリアとエスクリバのパエリアを分かつ最大の決定打は、調理プロセスにおけるオーブンの不使用にある。通常、米に火を通したあと仕上げとしてオーブンに入れて水分を飛ばす店が多い中、ここでは最後まで「直火」のみで炊き上げる。17分間、シェフがつきっきりで火加減をコントロールし、直火の強火力で一気にスープを米へと押し込んでいくのだ。
この工程により、米の表面はベタつかずハリを保ちながら、芯まで豊かな魚介の濃縮エキスが染み渡る。バルセロナ本店とまったく同じ特製浅型パエリア鍋を使用することで、熱が均一に伝わり、米が重ならずに平たく敷き詰められるのも大きな特徴だ。