作家性のさらなる成熟を決定づけたのが、『Daisy Jealousy』と『ハッピー・クソライフ』という対照的な傑作群だ。クリエイター同士の嫉妬と憧憬、才能への飢えを痛切に切り取った『Daisy Jealousy』は、ものづくりに携わる人間の業を容赦なくえぐり出した名作として名高い。
対照的に『ハッピー・クソライフ』では、人生の底辺で喘ぐ男たちの行き当たりばったりな日常と、泥沼の中で芽生えるいびつな絆が、乾いたユーモアとともに描かれる。どれほど情けなく格好悪い姿であっても、生きることそのものを肯定する眼差し。この底抜けの人間愛こそが、おげれつたなか作品が単なるフィクションを超えて読者の人生に寄り添う理由である。