秋田書店の看板雑誌『週刊少年チャンピオン』において、本作が果たした役割は計り知れない。1970年代から連載が続いた本作は、漫画出版業界全体におけるスポーツ描写の文法を根底から作り替えた。
超人的な魔球や荒唐無稽な必殺技に逃げることなく、配球の読み合い、走塁の駆け引き、公認野球規則の盲点を突いた戦術を徹底的に描いた。一球の投球、一塁への滑り込みに何週分ものページを費やす緊迫感は、週刊連載ならではの極上のサスペンスだった。野球という競技の奥深さをエンターテインメントに昇華させ、読者の野球観そのものを成熟させた功績は極めて重い。