格式高い秀山祭九月大歌舞伎への出演は、兄弟にとって大きな試金石となった。当代の一流役者たちが居並ぶ大舞台。張り詰めた空気の中、二人は萎縮するどころか、与えられた役柄の心情を生き生きと舞台上で呼吸させた。陽喜の凛とした立ち姿と、夏幹の愛嬌の中に潜む鋭い勘。それぞれの個性が鮮やかなコントラストを描き出す。
立ち回りの場面では、大人たちと息を合わせ、間合いを測りながら鋭く木刀を振るう。日々の鍛錬が嘘をつかないことを証明する一糸乱れぬ動き。観劇した批評家たちが「末恐ろしい才能」と口を揃えたのも頷ける。成長痛を抱えながらも一歩ずつ前進するその足跡は、確かな歴史の1ページとして刻まれた。