かつてセブン&アイ・ホールディングスを率いた鈴木敏文氏が提唱した「変化への対応」という哲学は、現代のスペース活用にも色濃く受け継がれている。
大ヒット商品となったセブンカフェの登場以降、小売業における店頭スペースの価値は「ただモノを売る場所」から「体験を消費する場所」へとシフトした。レジでカップを受け取り、マシンから漂う挽きたての香りを楽しみながら店内で一息つく。この一連の動線が、イートインの存在価値を一段引き上げた。
さらに現在では、即時配達サービスであるセブンNOWの拡大がスペースのあり方を再定義している。限られた店舗面積の中で、客が座るイートイン席を維持すべきか、それともデリバリーのピッキング・梱包用スペースに転換すべきか。各社は坪効率の最大化を巡り、緻密な計算を重ねている。