突如としてくしゃみが止まらない状態に陥ると、「重大な病気の前触れではないか」と不安を覚える方も多いはずです。風邪や花粉症だけでなく寒暖差アレルギーやストレスなど知っておくべき決定的な理由が存在します。
そもそも、くしゃみとは鼻粘膜に付着した異物を体外へ力任せに吹き飛ばそうとする生体防御反射です。鼻の粘膜表面に張り巡らされた「三叉(さんさ)神経」が物理的刺激や化学的刺激を感知すると、その電気信号が脳の延髄にある「くしゃみ中枢」へとダイレクトに伝達されます。その結果、肋間筋や横隔膜が一気に収縮し、時速300kmを超える呼気スピードで異物を排出しようとします。1回のくしゃみで消費されるエネルギーは約2kcalとも言われ、連続して発作が起きれば激しい疲労感を伴うのも当然の反応です。
では、なぜ1回で終わらずくしゃみ連続の理由が生じるのでしょうか。現場の耳鼻咽喉科医師が指摘する最大の要因は「鼻粘膜の知覚過敏状態」です。アレルゲンや微細な粉塵が粘膜に残留している場合だけでなく、粘膜自体が炎症を起こして閾値(刺激を感じるボーダーライン)が極端に下がっていると、わずかな空気の流れや温度変化に反応して連続発作が引き起こされます。
発熱を伴わない「くしゃみが止まらない熱はない原因」としては、以下の3パターンが代表的です。
第1に、スギやヒノキなどの花粉、ペットのフケ、ダニの死骸を原因とするハウスダストアレルギーをはじめとする外因性アレルゲンへの暴露です。第2に、外気温と室温の急激な変化によって自律神経が混乱する「血管運動性鼻炎(寒暖差アレルギー)」。そして第3に、精神的緊張や過労、睡眠不足による自律神経の過敏化です。熱がないからと放置せず、自分の鼻粘膜が何に反応して過剰アラートを鳴らしているのかを見極める作業が先決です。