若隆元の立ち位置を正確に把握するためには、弟たちとの客観的なデータ比較と、これまでの足跡を整理することが不可欠です。祖父に元小結・若葉山、父に元幕下・若信夫を持つ相撲名門一家に生まれた三兄弟の歩みは、三者三様の軌跡を描いています。
日本相撲協会の公式記録である若隆元の成績・星取表を辿ると、彼の相撲人生がいかに粘り強いものであったかが如実に分かります。学士力士としてエリート街道を進んだ三男・若隆景とは異なり、学法福島高校相撲部を経て前相撲から叩き上げた長男・大波渡。入門から約15年以上にわたり、通算80場所近くを幕下の地位で相撲を取り続けている実績は、並大抵の精神力と肉体美で成し遂げられるものではありません。
本場所の星取表を見れば、上位陣の壁に跳ね返されて負け越しを経験しても、翌場所には必ず修正して勝ち越しをもぎ取る。この「絶対に腐らない愚直さ」こそが、大関・関脇に登り詰めた弟たちが最も畏敬の念を抱く兄の背中なのです。