ネット上の情報では、部分2階建てと「1.5階建て(スキップフロア構造)」が混同される傾向にあります。しかし、この2つは温熱環境と構造強度において根本的に異なります。ここにある平屋風2階建てのデメリットの真相を整理しておかなければなりません。
2階の床面積が極端に小さい部分2階建ては、1階の直上に壁や柱が連続しない「構造の偏心」が起きやすい特徴があります。耐震等級3を取得するためには、1階の天井裏にあたる水平構面の剛性を高め、下屋部分にかかる荷重をバランスよく地面へ伝える緻密な構造計算(許容応力度計算)が不可欠です。
また、1.5階建てスキップフロアとの比較において最大の違いとなるのが「熱環境と階段の段数」です。
- 1.5階建て(スキップフロア):階段は6〜8段程度で中二階へ接続。吹抜けを介して家全体が一体空間となりやすい反面、音や匂いが筒抜けになり、空調管理の難易度が極めて高い。
- 子供部屋だけ2階(部分2階建て):通常の直階段(13〜15段)を要し、フロアとしては明確に遮断される。音のプライバシーは守られるが、2階の屋根直下に部屋が配置されるため、夏場の屋根からの輻射熱対策(遮熱通気工法や十分なセルロースファイバー等の断熱材厚み)を怠ると、夜間まで灼熱地獄が続くことになる。
大手ビルダーの技術担当者は、「屋根面積に対して居室が小さいため、小屋裏の熱が逃げにくく、2階の個別エアコンに過大な負荷がかかりやすい。屋根断熱のUA値をどこまで突き詰めるかが居住性の分水嶺になる」と指摘します。