展示面積約1,445平方メートルを誇る館内は、地上1階の「薩摩の夜明け」ゾーンと地下1階の「維新体感ホール」ゾーンで構成されています。来館者の知的好奇心を一気に引き上げる最大のエンジンとなっているのが、地下に設けられた大型体感空間です。
最大級の注目を集める体感シアター維新への道(上演時間約25分)では、幕末の動乱期における薩摩藩の決断と苦闘が、迫力あるマルチスクリーン映像と精巧なジオラマ、そして等身大ロボット(アニマトロニクス)の台頭によって劇的に描かれます。突如としてステージ床下からせり上がる西郷隆盛や大久保利通のロボットが、臨場感あふれる音響とともに来館者に語りかける演出は、単なるパネル展示や解説音声では得られない濃密な没入感を生み出しています。
さらに同ホールでは、若き薩摩藩士たちが鎖国下の日本を脱出してイギリスへ渡航した歴史を描く「薩摩スチューデント、西へ」(上映時間約20分)が交互に上映されています。世界情勢をいち早く察知し、近代化へ舵を切った島津斉彬の先見性や留学生たちの葛藤が克明に描かれており、両作品を鑑賞することで幕末維新の光と影が立体的に浮かび上がる設計です。
1階フロアでは、薩摩独自の教育システム「郷中教育(ごじゅうきょういく)」の仕組みや、軍艦建造・反射炉建設といった近代化事業の軌跡が、実物大の復元模型やタッチパネル式クイズなどを交えて分かりやすく展示されています。軍服や大名籠の体験試着コーナーも用意されており、視覚・触覚の両面から薩摩の息吹を体感できる工夫が凝らされています。