「地上波の報道局には、権力を本気で追及する体力も覚悟も残っていない」。かつて民放キー局でエースとして活躍していた調査報道記者は、自嘲気味にそう吐露する。過剰なコンプライアンス遵守と、スポンサー企業の顔色を伺う営業至上主義。それが現場の鋭い爪を1本ずつ抜いていったという。
一方、長年芸能界の光と影を追い続けてきた熟練の芸能ジャーナリストも、強い焦燥感を口にする。事務所の顔色を窺い、海外メディアの後追い記事すら出せずに忖度し続けるテレビ放送業界の姿は、もはや時代遅れどころか視聴者に対する背信行為と言っていい。表現の自由と報道の正義は、どこで掛け違えられてしまったのだろうか。