気象の急変に動じず、常に洗練された佇まいを崩さないファッションのプロたちは、どのようなロジックでコーディネートを組んでいるのか。人気スタイリストの大草直子氏は、上品な抜け感を演出しつつ寒暖差に対応する「質感のミックス」を提唱する。例えば、柔らかなシルクや薄手コットンのブラウスに、あえてざっくりとしたローゲージの羽織りものを合わせるなど、空気の層を巧みにコントロールするレイヤード術はオフィスカジュアルの手本として絶大な支持を集める。
一方、メンズファッションの第一人者である干場義雅氏は、無駄を削ぎ落とした「機能的エレガンス」を貫く。上質なメリノウールやカシミヤといった天然の温度調節機能を備えた素材を厳選し、ジャケットの下に薄手のジップアップベストを忍ばせるなど、見た目のスマートさを一切損なわずに体感温度をコントロールする緻密な計算が光る。
二人のアプローチに共通するのは、「脱ぎ着のしやすさ」と「素材の持つ自律的な調温力」への信頼だ。一枚の分厚い服に頼るのではなく、薄く機能的なレイヤーを重ねることで、体感温度の急激な変化にも瞬時に対応できる柔軟性が生まれる。