1980年代後半のデビューから、彼女の足跡は常に映画界の注目を集めてきた。周防正行監督の『シコふんじゃった。』で見せた凛とした佇まいは、当時の映画ファンを大いに魅了し、一躍トップ女優の仲間入りを果たした。しかし、彼女の役者としての評価を決定づけたのは、何と言っても1997年のカンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールに輝いた『うなぎ』である。
巨匠・今村昌平監督の重厚な世界観のなかで、彼女が見せた可憐さと逞しさが同居する演技は、海外の批評家からも惜しみない絶賛を浴びた。過度な自己主張をせずとも、カメラの前に立つだけでその場の空気を一変させる力。作られた演技ではなく、スクリーン上でその人物として生きる自然体の佇まいは、日本映画史に深く刻まれるものとなった。