自己処理を試みても解決しない場合、あるいは特定の危険兆候が見られる場合は、躊躇なく医療機関を受診してください。患者が最も迷うのが「棘は何科を受診すればよいのか」という点ですが、第一選択は間違いなく皮膚科です。
皮膚科クリニックには、皮膚の微細構造を数十倍に拡大して観察できる特殊な拡大鏡「ダーモスコピー」が常備されています。これを用いれば、肉眼では全く見えない無色透明なガラス破片や深部の微小トゲの深度・方向をミリ単位で正確に特定できます。必要に応じて局所麻酔を行い、医療用マイクロ鑷子(せっし)や精密メスを用いて無痛かつ最小限の切開で安全に異物を摘出します。
受診すべき危険サインは明確です。「刺さってから24時間以上経過しても自力で抜けない」「ズキズキとした拍動痛や患部の明らかな赤み・熱感・排膿がある」「トゲが植物のトゲ・動物の骨・泥に触れた木片である」「トゲ周辺の感覚が麻痺している」「破傷風ワクチン未接種で土壌が混入した」。これらの条件に1つでも該当する場合は、迷わず皮膚科(夜間休日の場合は外科や形成外科の救急外来)の扉を叩いてください。