見た目がこれほど違う両者だが、実は植物学的には全く同じ海藻である。学名をヒジキ(Sargassum fusiforme)と呼ぶ褐藻類ホンダワラ科の海藻だ。春先から初夏にかけて日本の沿岸で刈り取られた原藻は、加工場へと運ばれる。
決定的な分岐点はその「部位」にある。長ひじきは、海中で株の中心となる主幹や枝にあたる「茎(くき)」の部分を選別したものだ。「茎ひじき」とも呼ばれ、太くしっかりとした繊維構造を持つ。対して芽ひじきは、茎から生える「葉」や「生長点」を摘み取ったもの。「米ひじき」や「姫ひじき」という愛称の通り、小さく柔らかな粒状をしている。
日本の水産業と食品加工業では、収穫したヒジキをそのまま乾燥させるのではなく、一度大釜でじっくりと蒸煮(じょうしゃ)し、渋みや苦味を取り除いてから乾燥させる工程を踏む。この段階で職人たちの手によって、弾力のある茎と、繊細な芽が選別され、私たちが手にする規格へと仕立てられているのだ。