最低賃金制度は労働基準法および最低賃金法によって担保された強行法規です。「労使双方が納得して時給を決めた」「契約書に本人がサインした」という弁明は法的に一切通用しません。
最低賃金未満の金額で労働契約を結んだ場合、その合意自体が無効とみなされ、自動的に「法律で定める最低賃金と同額の契約が成立したもの」として扱われます。事業主が発効日以降も改定前の賃金を支払い続けた場合、以下の厳しいペナルティが科されます。
- 最低賃金法第4条・第40条の適用:地域別最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合、事業主に対して最高50万円の罰金が科される。
- 過去に遡った差額支払いの義務:労働基準監督署からの是正勧告を受ければ、発効日に遡って全従業員に対する未払い賃金の差額を一括精算しなければならない。
- 労働基準法違反のペナルティ:特定最低賃金に違反した場合は、労働基準法第24条(全額払いの原則)違反として30万円以下の罰金が適用される。
近年ではSNSや求人口コミサイトの普及に伴い、最低賃金割れの事業所は即座にブラック企業として情報が拡散されるリスクを抱えています。意図的な不払いはもちろんのこと、給与計算ソフトの改定日設定漏れといった過失であっても企業の社会的信用は失墜します。