現代アートを理解する上で外せないのが、美術史に決定的な足跡を残した有名作品と、グローバルな評価を確立した日本人作家たちの存在です。
世界的な潮流を作った代表例として、大量消費社会をシニカルに肯定・複製したアンディ・ウォーホルの『キャンベル・スープ缶』や、サメの死体をホルマリン漬けにして死生観を突きつけたダミアン・ハーストの『生者の心における死の物理的不可能性』が挙げられます。また、落札の瞬間に作品がシュレッダーで裁断されたバンクシーの『愛はごみ箱の中に』は、アート市場そのものを作品の舞台へと昇華させた事件として記憶に新しいところです。
日本人作家も世界のトップシーンで確固たる地位を築いています。水玉と網目のモチーフで自身の幻覚体験を崇高な表現へと変容させた草間彌生は、世界で最も作品価値の高い女性アーティストの一人として君臨しています。オタク文化と日本の伝統絵画を接続し「スーパーフラット」理論を打ち立てた村上隆、純真さと反逆精神が同居する少女像で国際的な共感を呼ぶ奈良美智、さらにはもの派を代表する李禹煥(リ・ウファン)や、概念的な写真表現で知られる杉本博司など、いずれも独自の文脈を世界に提示した作家たちが市場を牽引しています。