出生直後の赤ちゃんが体重を減らす現象は、医学用語で生理的体重減少と呼ばれます。これには明確な生体メカニズムが存在しており、病気や母乳の失敗を意味するものではありません。
最大の生理的体重減少の理由は、体内に蓄えられていた余分な水分と老廃物の排出です。胎児はお母さんの子宮内で羊水に浸かって育ち、体内に多くの水分を蓄えた状態で生まれてきます。出生後、呼吸や皮膚からの蒸発(不感蒸泄)、さらに最初の排便である胎便や排尿によって水分が急激に失われます。一方で、生まれたばかりの赤ちゃんの胃容量はビー玉程度と非常に小さく、母乳の分泌量も初日は数滴から十数ミリリットル程度とごくわずかです。
つまり、「体から出ていく水分の量」が「口から入る栄養や水分」を一時的に大きく上回るため、自然と体重が目減りします。この減少は生後3日頃に体重減少のピークを迎え、その後は母乳の本格的な分泌と赤ちゃんの吸啜(きゅうてつ)力の上昇に伴って増加へと転じていきます。