薬物事犯の摘発において主導的な役割を果たすのが、厚生労働省の地方厚生局に置かれた麻薬取締部、通称「マトリ」です。彼らは数か月から数年に及ぶ極秘の内偵捜査を行い、ターゲットの行動確認、ゴミの収集・分析、交友関係の洗い出しを徹底的に行います。
確実な所持・使用の証拠を押さえるため、踏み込むタイミングは綿密に計算されます。自宅への家宅捜索でブツ(薬物現物)を押収し、その場で簡易検査を実施。陽性反応が出れば現行犯逮捕となり、全国ニュースで芸能人実名報道が一気に駆け巡ります。
実名報道による社会的ダメージは甚大です。出演中のテレビ番組やCMは即座に差し替えられ、公開前の映画はお蔵入りや再撮影を余儀なくされます。制作会社やスポンサーから請求される損害賠償金は、時に数億円から十数億円規模に達し、所属事務所を経営危機に追い込むことも珍しくありません。