順風満帆に見えたアイドル活動のさなか、2014年6月に突如として発表されたグループからの卒業。ファンの間では「なぜこのタイミングで?」「運営との間に何があったのか」と激しい動揺が広がりました。公式ブログで本人が明かした理由は「学業に専念するため」というシンプルなものでしたが、その背後には構造的な現実と将来設計が存在していました。
市來は名門・早稲田大学文学部に進学していました。当時の早稲田大学文学部は出席確認や講義レポートの提出基準が極めて厳格で、単位取得には日常的な通学が不可欠でした。一方、乃木坂46は5thシングル『君の名は希望』以降、国民的アイドルへと駆け上がる過渡期に突入。握手会イベント、選抜合宿、連日のメディア収録、全国ツアーの準備など拘束時間が激増し、「学業と芸能活動の両立」が物理的な限界点に達していたのです。
さらに重要なのは、彼女が当時から抱いていた「報道の担い手になりたい」という強い志です。単なる学業専念という口実ではなく、将来的にアナウンサー採用試験へ挑戦するための教養と学位を本気で獲得するという明確なキャリアシフトでした。アイドルとしての人気に依存し続けるリスクを冷静に見極め、自らの足で歩む道を選択したことが、卒業を決断させた最大の引き金でした。