胡蝶しのぶの基本プロフィールを振り返ると、鬼狩りの最高戦力である「柱」の中でも極めて異質な存在であることが分かります。身長151cm、体重37kgという極めて小柄かつ華奢な体躯であり、柱の中で唯一「鬼の頸(くび)を刀で斬り落とす筋力を持たない」剣士です。
しかし、彼女はその決定的な身体的ハンディキャップに屈することはありませんでした。人並外れた薬学と毒物学の知見を活かし、鬼が嫌う「藤の花の毒」を精製。さらに、突き技に特化した特殊な細身の日輪刀を開発し、鞘の中で瞬時に毒の調合を変えながら戦う独自の流派「虫の呼吸」を編み出しました。
「蝶ノ舞『戯れ』」や「蜈蚣ノ舞『百足蛇腹』」など、縦横無尽に空間を跳ね回る超高速のステップから繰り出される刺突は、上弦の鬼ですら視認が困難なほどの速度を誇ります。力で劣るなら速度と毒で補う――その冷徹なまでの合理性と研ぎ澄まされた技術こそが、蟲柱・胡蝶しのぶの強さの神髄でした。