基準価額の暴落と並行して、受益者に衝撃を与えたのが分配金の劇的な減額です。隔月分配型は、2ヶ月に1度の決算期(奇数月の各10日など)に分配金を支払う仕組みですが、この隔月分配型の分配金推移をつぶさに追うと、ファンドが陥った典型的な「分配金トラップ」が浮かび上がってきます。
当初、1万口あたり数十円から100円前後といった高水準の分配金が支払われていた時期、多くの投資家は「手堅いインカムが得られる優秀なファンド」と錯覚していました。しかし、運用環境が悪化してファンドが損失を出している局面でも分配金を維持したため、払い出された原資の実態は利益ではなく、投資家自身が預けた元本そのものでした。いわゆるタコ足配当(元本払戻金・特別分配金)の泥沼です。
基準価額が3,000円台〜4,000円台まで落ち込む中で過大な分配金を出し続ければ、運用元本そのものが縮小し、将来相場が反発した際の回復力を自ら削ぎ落とすことになります。運用を担う日興アセットマネジメントは基準価額の底割れを防ぐため、分配金の段階的な引き下げを余儀なくされました。かつての高分配を信じて老後資金や退職金を投じた投資家にとって、この減配は受け取り額が激減するだけでなく、手元に残った元本も大きく削られているという二重の痛恨打となりました。