世間一般で有罪が確定した事件でありながら、識者や一部メディア、支援者の間で冤罪説や国策捜査の疑惑が今なお議論され続けるのには、明白な政治的背景が存在します。
最大の理由は、逮捕当時の植草氏が小泉純一郎内閣が進める「りそな銀行への公的資金注入問題」や「郵政民営化政策」に対する最激戦の批判急先鋒であった点です。テレビや言論誌を通じて政府の金融政策の暗部を厳しく告発していた最中の逮捕劇だったため、「体制側の意に沿わない論客を社会的に抹殺するための罠ではないか」という見方が浮上しました。
さらに、逮捕現場での警察官の配置や証言の変遷など、通常の現行犯逮捕とは異なる不自然な状況が支援団体やジャーナリストによって指摘されたことも、疑惑に拍車をかけました。真実が司法の判決通りなのか、あるいは政治的意図を含んだものだったのかという問いは、日本の司法とメディアのあり方を問う象徴的な論点として残り続けています。