生臭さの原因は、魚の表面に出る水分(ドリップ)と脂の酸化だ。プロの料理人が真っ先に行うのは、塩を振って余分な水分を引き出す作業。鮭の切り身に軽く塩を振り、10分ほど置く。浮き出た水分には生臭み成分が凝縮しているため、キッチンペーパーで水分を徹底的に拭き取る。このひと手間を省くと、いくら調味料に漬け込んでも臭みが残ってしまう。
水分をしっかり拭き取ったら、酒や醤油、生姜の絞り汁で作った特製ダレに漬け込む。生姜の爽やかな香りと酒のアルコール分が、魚特有の臭みを完全に分解する。漬け込み時間は15分程度がベスト。長く浸けすぎると水分が抜けて身が硬くなるため注意が必要だ。この適切な下準備こそが、旨味を内側に閉じ込めつつ癖のない味わいを実現する最大のポイントになる。