育休中の家庭では、書類の書き方や提出を巡ってどのようなトラブルや迷いが生じているのでしょうか。SNSコミュニティや大手子育てフォーラム、知恵袋などに寄せられる当事者の生々しい体験談を精査すると、情報格差による典型的なすれ違いが浮き彫りになります。
「第1子を出産して秋から育休中。会社から郵送で分厚い年末調整の書類が届いたけれど、赤ちゃんの夜泣きで毎日睡眠不足の中、何を書けばいいのかさっぱり分からず放置してしまった。同僚からの連絡で慌てて提出したものの、配偶者控除の欄が抜けていて夫の税金が安くならず、後から税務署に行く羽目になって疲弊した」(20代後半・IT企業勤務女性の手記より)
「会社の人事労務担当者から『年間給与が103万円以下なら、旦那さんの会社で配偶者控除の対象にしてもらってください』と簡潔にメールが届いたが、夫に伝えても『え? 妻は育休手当もらってるから扶養に入れないでしょ?』と突っぱねられた。非課税ルールを夫に納得させるための説明資料を夜な夜な探すのが一番のストレスだった」(30代前半・金融関係勤務女性の声)
現場の労務担当者からも、「休業中の社員は社内イントラネットにアクセスできないことが多く、郵送や私用メールでのやり取りになるため、不備書類の差し戻しに通常以上のコストがかかる」という苦悩が聞かれます。夫婦間での税務リテラシーの非対称性と、休職中特有のコミュニケーション不全が、本来得られるはずの還付機会を損なう要因となっているのです。