イエマの真の変革は、心臓部の内製化によって決定的な局面を迎えた。モルトーの自社工房に莫大な設備投資を行い、熟練の時計師たちを結集させて開発された「マニュファクチュール・キャリバー(CMM)」シリーズだ。CMM.10をはじめとするこの次世代ムーブメントは、高い精度と約70時間のロングパワーリザーブを誇り、スイス製エボーシュへの依存から完全に脱却した。
長らくスイス勢の後塵を拝してきたフランス時計界にとって、これは歴史的な復権を意味する。従来、高級機械式時計産業においては「スイスメイド」こそが絶対的な権威とされてきた。しかしイエマは、フレンチ・マニュファクチュールの誇りを掲げ、卓越したクロノメーター級の精度と審美性を兼ね備えた自社製エンジンを市場に投入したのだ。裏蓋のシースルーバックから覗く精緻なコート・ド・ジュネーブ仕上げや立体的なテンプの動きは、時計通の目をも唸らせる。