旅の途中で出会う仲間たちも、それぞれが深いバックストーリーを抱えています。
陽気で愛嬌あふれる犬のダグが身につけているのは、悪役チャールズ・マンツが開発した人間の言語を翻訳して喋ることができる特別な首輪です。マンツに仕える他のどう猛な猟犬たちから見下され、のけ者にされていたダグですが、カールの姿を見た瞬間に「ご主人様、大好き!」と打算のない純粋な愛情をぶつけます。他者を拒絶していたカールの閉ざされた心は、ダグの無条件の信頼によって少しずつ氷解していきます。
また、カールの家に偶然居合わせた少年ラッセルは、単なるお調子者の子どもではありません。彼の行動原理には、両親の離婚と不在がちな父親への渇望という切ない背景があります。シニア自然探検隊の上級バッジ「お年寄りお手伝いバッジ」に異常なまでに固執していたのは、授与式で父親にバッジをつけてもらい、自分を認めてほしいという切実な願いからでした。
カールは旅を通じてラッセルの抱える孤独を知り、単なる迷惑な同乗者から「守るべき家族のような存在」へと認識を改めていきます。世代を超えた2人の魂の交錯が、物語に重層的な感動を与えています。