本作の求心力となったのは、何と言っても千代の半生を泥臭くも愛らしく演じ切った杉咲花さんの圧倒的な表現力です。感情を爆発させる河内弁のまくし立てから、喜劇役者としての滑稽な所作、そして老境に入ってからの枯れた哀愁まで、見事な芝居のグラデーションを披露しました。杉咲さんは本作での好演を機に、日本を代表する本格派女優としての評価を確固たるものにしています。
そして放送開始直後、日本中を驚愕させたのが千代の幼少期を演じた子役の毎田暖乃(まいだ のの)さんでした。父親のテルヲに激昂し「われ!何さらしとんのじゃ!」と怒鳴り散らす凄まじい迫力は、視聴者の心を一気に掴みました。毎田さんは物語終盤、千代が引き取って育てる姪の「春子」役としても再登場。同じ作品内で全く異なる境遇の二役を完璧に演じ分けるという離れ業をやってのけ、天才子役としての名を不動のものにしました。