伊達政宗といえば「独眼竜」の異名や黒い眼帯姿がトレードマークとして定着していますが、青葉城跡の騎馬像を正面から見上げると、両目がはっきりと刻まれていることに気づきます。これには歴史的な明確な根拠が存在します。
政宗公は臨終に際し、「父母から授かった身体を傷つけて損なったのは不孝の極みである。死後に作らせる肖像画や木像には、必ず両目を揃えて描くように」という厳格な遺言を遺しました。この遺志を受け、瑞巌寺や瑞鳳殿に遺された肖像彫刻・肖像画もすべて両目が開いた状態で制作されています。
小室達が騎馬像を彫刻する際も、この政宗公の心情と武士としての誇りを最大限に尊重し、眼帯のない堂々たる両眼の意匠が採用されました。時代劇やゲームのイメージとは一味違う、人間・伊達政宗の矜持がその表情に宿っています。