大石段の脇に目をやると、一際強い存在感を放つ若い銀杏の木が目に入る。2010年3月、強風によって樹齢800年以上の「大銀杏」が倒伏したニュースは、日本中に大きな衝撃を与えた。公暁が源実朝を襲撃する際に隠れていたという伝説をもつ、歴史の生き証人だった。
あれから16年。残された根から芽吹いた「ひこばえ」は、驚くべきスピードで成長を遂げ、今や立派な幹と豊かな葉を茂らせている。倒れた親木から命を受け継ぎ、たくましく天へと向かって枝を伸ばす姿は、見る者の心を揺さぶる。過酷な運命から立ち上がるその生命力は、参拝客に静かな勇気を与え続けている。