飲食店の経営を一区切りさせた後、秀樹氏が情熱を傾けたのは「盆栽」や「ボタニカルアート」という伝統的かつ前衛的な植物造形の世界だった。レストランで培った空間センスは、鉢という限られた小宇宙の中で自然の美を再構築するアートへと昇華されていく。
単なる趣味の領域を遥かに超え、作品展への出品や空間プロデュースなど、植物表現者としての活動を本格化させた。樹木の枝ぶりに向き合い、何年もの歳月をかけて理想のフォルムを追求する静かな作業。レストランでの動的な接客とは対照的な「静の職人技」に没頭する姿は、年齢を重ねても探求心を失わない生き様を物語っていた。