精神面の問題と同時に見落としてはならないのが、ホルモンバランスや身体機能といったフィジカルな側面だ。産婦人科医として発信を続ける宋美玄氏がたびたび警鐘を鳴らすように、加齢や出産に伴うホルモン動態の変化、性交痛、ED(勃起不全)や性欲減退などの身体的トラブルを「気持ちの問題」として放置してしまう夫婦は極めて多い。
日本性科学会などの専門機関においても、レスを単なる感情の不一致ではなく、身体的要因と心理社会的要因が複雑に絡み合った現象として捉える性科学の知見が蓄積されている。痛みを我慢する性関係はトラウマを生み、さらなる拒絶を引き起こす。身体的な違和感や不調があれば、ためらわずに医療機関を受診し、適切な治療やケアを取り入れることが問題解決の確実な足がかりとなる。