地域のランドマークであったおもちゃのカナリヤがなぜ閉店へと追い込まれたのか。その背景には、個店努力の限界を超えた玩具流通業界の地殻変動が存在します。
経済産業省の商業統計や一般社団法人日本玩具協会のデータを分析すると、玩具販売の主役は時代とともに劇的に変化してきました。1990年代以降の大型玩具量販店(トイザらス等)の全国展開、2000年代以降の家電量販店によるホビーフロア拡大、そして2010年代以降のEC(Amazon等)の普及が、中小規模の独立玩具店から急速にシェアを奪っていきました。
さらに、ゲーム産業の主軸がパッケージソフトからスマートフォンアプリやダウンロード販売へ移行したこと、メーカー主導の直接流通や抽選販売が主流化したことも、中小店舗の仕入れ環境を急速に悪化させました。こうした経営環境の激変に、店主の高齢化と後継者難が重なったことが、閉店を選択せざるを得なかった決定的な要因です。