「どんな状態の患者であっても決して断らない」。この過酷な命題を日常として運用するのが、同院の代名詞とも言える北米型救急医療(ER体制)だ。専門科の壁に阻まれて搬送先が決まらない「たらい回し」を根絶するため、初期診療を行う救急専従医がすべての患者をまず受け入れ、トリアージを実施した上で各専門科へとシームレスに引き継ぐ。
心原性ショック、多発外傷、急性脳卒中。一刻を争う重症例から軽症者までが同一の空間に集積する。救急医の判断スピードは数秒単位だ。タブレット端末を片手に検査オーダーを瞬時に飛ばし、隣のハイブリッド手術室ではカテーテル班が待機する。まさに時間との戦いだ。過酷を極める現場だが、スタッフの動きに無駄はない。徹底的にマニュアル化されたプロトコルと、場数を踏んだ臨床経験が現場を支えている。