「読まれない広告は存在しないのと同じだ」と喝破したのは、現代広告の父と呼ばれるデビッド・オグルヴィだ。彼の思想は、単なるビジュアル重視のチラシ作りに対する強烈なアンチテーゼとして、今なおダイレクトマーケティングの根幹を支え続けている。
美麗なレイアウトを追求するグラフィックデザイナーと、人間の購買心理を計算し尽くすセールスコピーライターの間には、往々にして深い溝が生まれる。しかし、真に結果を出す紙面において、デザインは言葉の力を増幅させるための黒子に過ぎない。整然と並んだ美しいだけのフォントよりも、多少無骨であっても筆文字や手書きの注釈が添えられたコピーのほうが、何倍もの来店客を呼び込む現象は日常茶飯事だ。読者の感情のスイッチをどの単語で押し、どの順番で不安を解消していくかという論理的な言葉の導線こそが、成否を分ける生命線となる。