この場所を語る上で欠かせないのが、数々の名作文学や映像作品の舞台となってきた背景だ。京都の大学カルチャーをユーモラスかつ叙情的に描いた作家・森見登美彦の代表作『四畳半神話大系』では、不毛な青春をこじらせる主人公たちが議論を交わす象徴的なスポットとして登場する。鬼才・湯浅政明監督がアニメーション化した際も、この合流点の空気感が鮮烈なビジュアルで再現され、視聴者に強い印象を植え付けた。
さらに万城目学の青春小説『鴨川ホルモー』をはじめ、世界的な評価を誇る京都アニメーションが手がけた大ヒット作『けいおん!』のオープニング映像でも、特徴的な飛び石を飛び跳ねるカットが印象的に描かれた。日本のアニメーション産業が長年培ってきた繊細な背景美術と情景描写は、実在する水辺の空間を「誰もが一度は訪れてみたい憧れの風景」へと昇華させたのだ。