こうした諸問題が重なった結果として直面しているのが、ハンターの急激な高齢化と深刻な後継者不足です。
国内の狩猟免許保持者の大半は60代以上が占めており、70代・80代の高齢者が最前線で大型獣と対峙している地域も少なくありません。若者が新たに銃を所持しようとしても、厳格な審査、高額な初期費用、煩雑な更新手続きなどの高いハードルが存在します。その上、「危険・無報酬・理不尽な批判」という三重苦が周知された現在、あえて害獣駆除の担い手になろうとする若手は極めて限定的です。
国や一部の先進自治体では、鳥獣被害対策実施隊の公務員化や報酬の大幅引き上げ、緊急時における発砲要件の緩和など法改正の議論が進められていますが、現場の崩壊スピードに制度設計が追いついていないのが実態です。このまま放置されれば、近い将来「街に猛獣が出没しても誰も対処できない」という深刻な安全保障上の空白が現実のものとなります。