日輪刀を赤く染め上げ、鬼の驚異的な細胞再生能力を著しく低下させる「赫刀(かくとう)」。炭治郎は作中で複数の異なるアプローチによってこの領域に到達しています。
刀鍛冶の里編では禰豆子の「爆血」による強烈な熱エネルギーを利用した「爆血刀」として覚醒。そして無惨戦の最終局面では、呼吸を極限まで高めた「万力の握力」によって自力で刀身を赫刀へと変貌させました。摩擦と圧力によって刀の温度を臨界点まで引き上げるこの現象は、柱たちも激戦の中で次々と体得していきました。
そして炭治郎の戦闘力の集大成となったのが、無惨戦のクライマックスで放たれた「日の呼吸 十三の型」です。長年、ヒノカミ神楽として竈門家に神事の舞として受け継がれてきた12の舞(型)は、本来途切れることなく一晩中舞い続けるためのものでした。炭治郎は先祖・炭吉の記憶を通じて始まりの剣士・継国縁壱の演舞を幻視し、「12の型を円環のように連続して繰り出し続けること自体が十三番目の型になる」という真実に辿り着きます。
無惨の体内に存在する複数の心臓と脳を捉え続け、夜明けまでの時間を稼ぎ切るために編み出されたこの円環の連撃こそが、炭治郎という人間が到達した究極の剣技でした。