生き物たちの生態をありのままに伝え、保全への意識を啓発する試みも深化している。日本動物園水族館協会が推進する環境教育の現場には、東京海洋大学名誉博士でもあるさかなクンのような専門家や著名人も熱い視線を注ぐ。単に珍しい魚を並べる時代は終わり、生息地の生態系そのものを切り取ったリアルなストーリーテリングが来館者の知的好奇心を刺激する。
東京スカイツリーの足元に広がるすみだ水族館では、国内最大級のクラゲ展示エリア「クラゲワンダー」が圧倒的な存在感を放つ。約500倍の水流設計でふわふわと漂う無数のミズクラゲに囲まれる空間は、訪れる者の時間感覚を狂わせるほどの没入感を生み出している。展示の裏側にある飼育作業をガラス越しに公開するラボスペースも含め、人と海の距離を縮める濃密な設計がそこにある。